BTC

学ぶ

ステーブルコインとビットコインの違い|値動きしないコインとBTCを比較

米ドル紙幣と複数の暗号資産コイン
Photo: digicloudmedia / CC BY 2.0

結論:BTCは「変動する資産」、ステーブルコインは「変動させない決済手段」

ビットコイン(BTC)とステーブルコインは、どちらも暗号資産の一種として並べて語られますが、目指す方向が正反対です。BTCは発行上限2100万枚という希少性を武器にした「価値の保存」を目指す資産で、価格は市場の需給で変動します。一方ステーブルコインは、米ドルや日本円などの法定通貨(や国債などの安全資産)に価値を連動させることで、あえて価格を変動させないことを目的とした暗号資産です。

この記事のポイント

- BTC=供給上限2100万枚・PoWで発行される「価格が変動する希少資産」(デジタルゴールド)。

- ステーブルコイン=米ドルや円などの法定通貨に価値を連動させ「価格を変動させない」ことが目的の暗号資産。

- 日本では2023年6月施行の改正資金決済法で、ステーブルコインは暗号資産と区別された「電子決済手段」として法的に定義されている。

- 2025年9月、国内初の円建てステーブルコインが発行された(JPYC)。

- 用途が異なるため優劣の比較ではなく、保有・投資はBTC、決済・送金の安定した単位はステーブルコインという使い分けが基本。

比較表でひと目で理解する

観点ビットコイン(BTC)ステーブルコイン
目的価値の保存・希少資産(デジタルゴールド)決済・送金の安定した単位
価格需給で変動する法定通貨等に連動し変動しないよう設計
裏付けなし(希少性と分散ネットワークが価値の根拠)法定通貨建て預金・国債などの裏付け資産
発行上限2100万枚で固定発行体の裏付け資産量に応じて増減
日本の法的位置づけ暗号資産(資金決済法)電子決済手段(改正資金決済法・暗号資産とは別区分)
代表例BTC米ドル建て:USDT・USDC等/円建て:JPYC等

ビットコインがなぜ「価値」を持つのかはビットコインはなぜ価値があるのか、供給上限の仕組みは発行上限2100万枚とはで詳しく解説しています。

ステーブルコインの仕組み:なぜ価格が動かないのか

ステーブルコインは、発行体が受け取った資金と同額の法定通貨建て預金や国債などの安全資産を裏付けとして保有し、いつでも額面どおりに償還できる設計にすることで、価格を1ドル=1コイン(または1円=1コイン)に近づけます。この「発行・償還のたびに裏付け資産が増減する」構造は、供給が固定されているBTCとは根本的に異なります。

日本では2023年6月施行の改正資金決済法により、ステーブルコインは暗号資産と区別された「電子決済手段」として法的に定義されました。発行・償還を行えるのは銀行・資金移動業者・信託会社に限定され、額面での償還、安全資産による裏付け、資産の分別管理が義務付けられています。2025年9月には、この枠組みのもとで国内初の円建てステーブルコインが発行され、話題となりました。

なぜBTCは変動し、ステーブルコインは変動しないのか

BTCの価格変動は、発行上限が固定されている中で需要が変化することによって生じます。裏付け資産がなく、価値の根拠は希少性と分散ネットワークへの信頼そのものです。対してステーブルコインは、需要が増えれば発行体が新たにコインを発行し裏付け資産を積み増すため、理論上は1コインあたりの価値が一定に保たれます。「変動を許容して希少性を取るか」「変動を抑えて決済の単位として使うか」という設計思想の違いが、両者を分けています。

どう使い分ける?

  • 保有・長期投資として値上がりを期待するなら:BTC(ただし価格変動リスクは大きい)。
  • 暗号資産の世界で「円」や「ドル」のように安定した単位で決済・送金・一時退避したいなら:ステーブルコイン。
  • 実際に、BTCを一時的に売却してステーブルコインに退避する、あるいは取引所間の送金にステーブルコインを使う、といった組み合わせ方が一般的です。

よくある質問

Q. ステーブルコインもビットコインのように値上がりしますか? A. 基本的にしません。ステーブルコインは法定通貨等に価値を連動させることで価格を一定に保つよう設計されています。値上がり益を狙う商品ではありません。

Q. ステーブルコインは日本で合法ですか? A. 2023年6月施行の改正資金決済法により「電子決済手段」として法的に位置づけられています。発行・仲介できる主体や利用者保護のルールが定められています。

Q. 日本円のステーブルコインはありますか? A. 2025年9月に国内初の円建てステーブルコインが発行されました。制度・対応状況は変化しているため、最新情報は発行体の公式情報をご確認ください。

Q. ステーブルコインにリスクはないのですか? A. 価格変動リスクは低い一方、発行体の信用力・裏付け資産の健全性・規制対応など別種のリスクがあります。「絶対に安全」というわけではありません。

参考・出典

  • 金融庁「ステーブルコインに関する制度(資金決済法改正)」: https://www.fsa.go.jp/policy/virtual_currency/index.html
  • 野村総合研究所「日本では初の円建てステーブルコインが発行へ」: https://www.nri.com/jp/media/column/kiuchi/20250905_2.html
  • bitcoin.org「How it works」: https://bitcoin.org/en/how-it-works

投資にあたっての注意

本記事は情報提供を目的としたものであり、投資助言ではありません。ビットコインは価格変動やハッキング、紛失等のリスクがあります。投資判断はご自身の責任で、余裕資金の範囲で行ってください。税制・規制・各サービスの仕様は変更される場合があるため、最新情報は必ず公式の一次情報をご確認ください。

Sources

  1. 金融庁 ステーブルコインに関する制度
  2. 野村総合研究所「日本では初の円建てステーブルコインが発行へ」
  3. bitcoin.org — How it works

FAQ

ステーブルコインもビットコインのように値上がりしますか?
基本的にしません。ステーブルコインは法定通貨等に価値を連動させることで価格を一定に保つよう設計されています。
ステーブルコインは日本で合法ですか?
2023年6月施行の改正資金決済法により「電子決済手段」として法的に位置づけられています。
日本円のステーブルコインはありますか?
2025年9月に国内初の円建てステーブルコインが発行されました。最新の対応状況は発行体の公式情報をご確認ください。
ステーブルコインにリスクはないのですか?
価格変動リスクは低い一方、発行体の信用力や裏付け資産の健全性など別種のリスクがあります。
佐藤 健一
  • 暗号資産アナリスト
  • ビットコイン取材歴9年
  • 元金融メディア記者

2016年からビットコインを取材・解説。半減期、マイニング、各国規制、自己管理(セルフカストディ)に明るく、初心者にわかる説明を重視。

本記事は情報提供のみを目的とし、投資・金融・取引の助言ではありません。価格は参考値で古い場合があります。投資判断はご自身の責任で。