RBF(Replace-by-Fee)とは? 詰まった送金を手数料の上書きで救う方法

RBF(Replace-by-Fee/リプレース・バイ・フィー)は、まだ承認されていない送金を「同じ資金を使う、より手数料の高い別の取引」で置き換える仕組みです。手数料を低く設定しすぎて何時間も詰まったとき、送り直しではなく“上書き”で救う方法になります。
要点
RBFは送信者側の救済手段。受け取り側から見ると「0承認の入金は書き換わり得る」という意味になります。Bitcoin Core 28.0(2024年10月)以降はフルRBFが既定で、置き換えの可否は送信者の設定に依存しなくなりました。本記事は投資助言ではありません。
なぜ詰まるのか
ビットコインの取引はまず各ノードのmempool(メモリプール)に未承認のまま入り、マイナーは基本的に手数料率(sat/vB)の高い取引からブロックに詰めていく。混雑時に低い手数料率を指定すると、あなたの取引は行列の後ろに置かれたまま何時間も待たされる。詳しくは手数料の仕組みと承認されないときの対処。
RBFの仕組み
RBFは「取り消し」ではない。同じインプット(同じ資金)を使う別の取引を、より高い手数料でブロードキャストする。ノードは同じ資金を使う2つの取引を両方は受け付けられないので、条件を満たしたほうが mempool 上の古いほうを追い出す。結果として、承認されるのは新しい取引1つだけになる。
置き換えが有効と見なされるには、置き換え側が
- より高い手数料率(BTC/仮想バイト)であること
- より高い絶対額の手数料を払っていること
の両方を満たす必要がある。片方だけでは弾かれる。
オプトインRBFとフルRBF
オプトインRBF(BIP125) は Bitcoin Core 0.12.0 で実装された方式で、送信者があらかじめ「この取引は置き換え可」というシグナルを立てておく必要があった。シグナルの無い取引は置き換えできない、という前提だ。
フルRBFは、そのシグナルの有無にかかわらず置き換えを認める方針を指す。Bitcoin Core では -mempoolfullrbf の既定値が 0 から 1 に変更され(Bitcoin Core 28.0、2024年10月)、その後この設定項目自体を削除する変更もマージされている(Bitcoin Core #30592)。
実務上の意味はひとつ。「RBFシグナルが立っていないから置き換えられない」という前提はもう置けない(as of 2026-08-09)。
受け取り側が知っておくべきこと
ここがRBFのいちばん重要な帰結だ。
- 0承認(未承認)の入金は、まだ確定していない。 送信者は手数料を上げた別の取引で送り先ごと書き換えられる。
- 商品の引き渡しやサービスの提供は、最低1承認を待ってから行うのが安全。金額が大きいほど承認数を増やす。
- 取引所や決済業者が「入金反映まで◯承認」と決めているのは、この性質への対策でもある。
承認数の意味は承認(confirmation)とは、巻き戻しの原理は二重支払いとはを参照。
CPFPとの使い分け
手数料を後から積み増す方法はもう1つある。CPFP(Child Pays For Parent) だ。
| RBF | CPFP | |
|---|---|---|
| 誰が使えるか | 送信者(自分の取引を置き換える) | 受取人でも使える |
| やること | 同じ資金でより高い手数料の取引を出し直す | 未承認の出力を使う「子」取引を高い手数料で出す |
| 効き方 | 古い取引が消え、新しい取引が承認される | 親子まとめて採掘されるので親も引き上がる |
自分が送った取引が詰まっている → RBF。誰かから来た未承認の入金を早く確定させたい → CPFP。 ウォレットによって対応状況が違うので、送金前に「手数料の引き上げ(Bump fee)」機能の有無を確認しておくとよい。
実行するときの注意
- 置き換え取引は元の取引と同じインプットを使う必要がある。ウォレットの「手数料を上げる」機能を使えば自動的に処理される。
- 手数料の上乗せ分は自分の負担になる。おつり(change)から差し引かれるのが一般的だ。
- 置き換えのたびに手数料は上がる。混雑が引くのを待つほうが安く済む場面も多い。相場はmempoolの状況で判断する。
- 送金先アドレスを間違えた場合、未承認のうちならRBFで送り先を変えられることがある。承認後は取り戻せない(送金先を間違えたとき)。
Sources
よくある質問
- RBF(Replace-by-Fee)とは何ですか?
- 未承認の送金を、同じ資金を使うより手数料の高い別の取引で置き換える仕組みです。置き換え側は元の取引より高い手数料率と、より高い絶対額の手数料の両方を満たす必要があります。
- RBFは送信者のシグナルがないと使えませんか?
- 以前はBIP125のオプトインRBFでシグナルが必要でしたが、Bitcoin Core 28.0(2024年10月)で -mempoolfullrbf の既定値が0から1に変更され、フルRBFが既定になりました(as of 2026-08-09)。シグナルの有無にかかわらず置き換えが起こり得ます。
- 0承認の入金を信用してもいいですか?
- 避けたほうが安全です。フルRBFが既定の環境では、送信者が手数料を上げた別の取引で送り先ごと書き換えられます。商品の引き渡しは最低1承認、金額が大きい場合はさらに多くの承認を待ってから行うのが安全です。
- RBFとCPFPはどう使い分けますか?
- 自分が送った取引が詰まっている場合はRBFで手数料を上書きします。他人から来た未承認の入金を早く承認させたい場合は、その出力を使う子取引を高い手数料で出すCPFP(Child Pays For Parent)を使います。
本記事は情報提供のみを目的とし、投資・金融・取引の助言ではありません。価格は参考値で古い場合があります。投資判断はご自身の責任で。