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ビットコインの4年サイクルとは|半減期と相場の関係を過去データで中立検証

ビットコインの4年サイクルとは|半減期と相場の関係を過去データで中立検証
写真: Pixabay / CC0

結論

ビットコインの「4年サイクル」とは、約4年ごとに起こる半減期(新規発行量が半分になるイベント)を起点に、相場が「上昇→天井→下落→底→再上昇」を繰り返してきたとされる経験則です。 実際、過去3回の半減期(2012年・2016年・2020年)の後にはいずれも12〜18か月ほどで最高値をつけ、その後大きく下落してきました。ただしこれはあくまで過去の傾向であり、法則でも保証でもありません。特に2024年以降はETF(上場投資信託)による機関投資家マネーの流入が価格の主因になりつつあり、「次も同じ」とは限らない点を必ず押さえてください。

この記事のポイント

- 4年サイクルの原動力は「半減期による供給ショック」という仮説。約210,000ブロック(≒4年)ごとに新規発行が半減する。

- 過去3回はいずれも半減期の12〜18か月後に天井、その後の翌年に底、という形が繰り返された。

- 供給が減るのは事実だが、価格が上がる因果は証明されていない。需要・マクロ環境が伴って初めて上昇する。

- 2024年の現物ETF承認で構造が変化。ETF流入額が新規発行量を大きく上回り、サイクルが崩れる可能性がある。

4年サイクルと半減期の仕組み

ビットコインはマイナー(採掘者)への報酬として新しいコインが発行されますが、この報酬は210,000ブロック(おおよそ4年)ごとに半分になるようプログラムされています。これが半減期です。発行上限は2,100万枚と決まっており、半減期を繰り返しながら発行ペースは徐々にゼロへ近づきます。

4年サイクル理論は、この「定期的に供給が絞られる」仕組みに注目します。需要が変わらないまま新規供給(売り圧力の一部)が減れば、需給が引き締まって価格が上がりやすい――これが供給ショック仮説です。時系列でみると、半減期の前後で相場の局面が切り替わってきたように見えるため、「4年で一巡する」と語られてきました。

半減期そのものの詳しい仕組みは半減期とは何か、次回の予定は次の半減期はいつかで解説しています。

過去3サイクルを年表で検証

過去の半減期と、その後の最高値・底値を並べると次のようになります(価格は概算・目安。正確な値は各データソースで確認してください)。

サイクル半減期の日付報酬の変化その後の最高値(概算)天井の時期半減期→天井
第1回2012年11月28日50→25 BTC約1,100ドル2013年11月約12か月
第2回2016年7月9日25→12.5 BTC約19,700ドル2017年12月約17か月
第3回2020年5月11日12.5→6.25 BTC約69,000ドル2021年11月約18か月
第4回2024年4月6.25→3.125 BTC(検証中)

天井の後には、いずれも大きな下落(弱気相場)が続きました。2014〜2015年、2018年、2022年はそれぞれ高値から70〜80%規模の下落を経験しています。つまり過去は「半減期の翌年に天井→さらに翌年に底→また上昇」というリズムに見えた、というのが客観的な事実です。より長い価格の歴史はビットコインの歴史で追えます。

供給ショックの理論と、その限界

理屈のうえでは、半減期は「新しく市場に出るコインの量を減らす」イベントです。マイナーが売る新規コインが減れば、他の条件が同じなら需給は締まります。ここまでは妥当な説明です。

しかし注意すべき点があります。

  • 半減期は事前に全員が知っている。効率的市場の考え方では、既知のイベントは事前に価格へ織り込まれ、当日に急騰する理由にはなりにくい。実際、過去の半減期「当日」は大きく動いていません。
  • サンプルがわずか3回。3回の一致を「法則」と呼ぶには統計的に弱く、偶然やマクロ要因(金融緩和・流動性)との重なりを排除できません。
  • 上昇には需要が不可欠。供給が減っても買い手がいなければ価格は上がりません。過去の上昇局面は、緩和的な金融環境や新規参入の波と重なっていました。

注意

本記事は教育目的の解説であり、投資助言ではありません。「半減期があるから必ず上がる」という保証は存在せず、過去のパターンが将来も再現される保証もありません。暗号資産は価格変動が大きく、短期間で大幅に下落することがあります。投資判断は必ず自身で行い、余剰資金の範囲で、最新の一次情報を確認してください。

ETF流入でパターンが崩れる可能性

2024年1月、米SECが現物ビットコインETFを承認しました。これにより、従来は中心的な買い手ではなかった機関投資家や個人が、証券口座から容易にビットコインへ投資できるようになりました。

ここが4年サイクル論にとって重要です。半減期で減る新規発行は1日あたり数百BTC規模ですが、ETFの資金流入はそれを何倍も上回る日が珍しくありません。つまり価格を動かす主因が「マイニング供給の細い流れ」から「機関マネーの太い流れ」へ移りつつある、という見方が広がっています。もしそうなら、価格リズムはマクロ経済(金利・流動性)やETFの資金動向に強く左右され、半減期起点の綺麗な4年周期は崩れるかもしれません。

一方で、供給が減り続ける事実は変わらないため「サイクルは弱まっても消えはしない」とする見方もあります。結論は出ておらず、だからこそ「次も同じとは限らない」という前提が最も安全です。

よくある質問

Q. 4年サイクルは絶対に当たりますか? A. いいえ。過去3回は似た形でしたが、サンプルが少なく因果も証明されていません。既知イベントゆえ織り込み済みという反論もあり、「傾向」であって「法則」ではありません。

Q. 半減期が来れば価格は必ず上がりますか? A. 保証はありません。供給が減っても、買い需要やマクロ環境が伴わなければ上がりません。過去の上昇も緩和的な金融環境と重なっていました。

Q. 次の半減期はいつですか? A. おおむね2028年ごろ(ブロック高1,050,000で報酬が3.125→1.5625 BTC)と見込まれています。ブロック生成ペースで前後するため、正確な予定は次の半減期で確認してください。

Q. ETFが出た今、サイクルはもう終わりですか? A. 断定はできません。ETF流入が新規発行を上回り価格の主因になったとの指摘がある一方、供給減の効果が残るとの見方もあります。従来通りには動かない可能性がある、と捉えるのが妥当です。

参考・出典

Sources

  1. Bitcoin.org — Bitcoin開発ドキュメント(発行スケジュール)
  2. CoinGecko — Bitcoin Halving Countdown
  3. SEC — Statement on the Approval of Spot Bitcoin Exchange-Traded Products (2024年1月)
  4. Kraken — The history of Bitcoin halving
  5. CoinGecko Research — When Bitcoin All-Time Highs happen

FAQ

4年サイクルは絶対に当たりますか?
いいえ。過去3回は似た形でしたが、サンプルが少なく因果も証明されていません。半減期は既知イベントで事前に織り込まれるという反論もあり、傾向であって法則ではありません。
半減期が来れば価格は必ず上がりますか?
保証はありません。供給が減っても、買い需要やマクロ環境が伴わなければ上がりません。過去の上昇局面も緩和的な金融環境と重なっていました。
次の半減期はいつですか?
おおむね2028年ごろ(ブロック高1,050,000で報酬が3.125→1.5625 BTC)と見込まれます。ブロック生成ペースで前後するため、正確な予定は公式データで確認してください。
ETFが出た今、4年サイクルはもう終わりですか?
断定できません。ETF流入が新規発行量を上回り価格の主因になったとの指摘がある一方、供給減の効果は残るとの見方もあります。従来通りには動かない可能性がある、と捉えるのが妥当です。
佐藤 健一
  • 暗号資産アナリスト
  • ビットコイン取材歴9年
  • 元金融メディア記者

2016年からビットコインを取材・解説。半減期、マイニング、各国規制、自己管理(セルフカストディ)に明るく、初心者にわかる説明を重視。

本記事は情報提供のみを目的とし、投資・金融・取引の助言ではありません。価格は参考値で古い場合があります。投資判断はご自身の責任で。