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ビットコインのフォークとは|ハードフォークとソフトフォークの違いを図解

ビットコインのフォークとは|ハードフォークとソフトフォークの違いを図解
写真: Ingo Dierking / CC BY-SA 4.0

結論

ビットコイン フォーク とは」を一言でいうと、ブロックチェーンの取引ルール(合意ルール)を変更した結果、チェーンが枝分かれ(フォーク)することです。フォークには2種類あり、旧ルールと互換性を保つのがソフトフォーク(例:SegWit・Taproot)、互換性が切れて別々のチェーン=新しい暗号資産が生まれるのがハードフォーク(例:ビットコインキャッシュ)です。互換性の有無こそが両者を分ける決定的な違いで、あなたが保有するBTCへの影響もここで決まります。

この記事のポイント

- フォーク=ブロックチェーンのルール変更による分岐。「良い/悪い」ではなくアップグレードの方式の話

- ソフトフォーク=後方互換あり(旧ノードもチェーンに残れる)。SegWit・Taprootが代表例

- ハードフォーク=後方互換なし(全員が更新しないとチェーンが2本に割れ、新通貨が誕生)。ビットコインキャッシュが代表例

- 分裂すると同数の新コインが付与されることがあるが、日本では取得価額0円扱いで売却時に課税される

そもそもフォーク(分岐)はなぜ起きるのか

ビットコインには中央管理者がいません。世界中のノード(参加者のコンピュータ)が「どの取引を正しいと認めるか」という共通ルール(コンセンサスルール)に従って初めて、1本のチェーンが維持されます。

このルールを変更しようとするとき、参加者全員が同時・完全に足並みをそろえるのは困難です。そこで、

  • 手数料削減・処理能力向上・機能追加などの改善提案(BIP=Bitcoin Improvement Proposal)が出される
  • どこまでのノードが新ルールを受け入れるかで、チェーンが一時的または恒久的に枝分かれする

これがフォークです。つまりフォークは事故ではなく、分散型ネットワークがアップグレードするための仕組みそのものなのです。

ハードフォークとソフトフォークの違い

最大の違いは「後方互換性(backward compatibility)」の有無です。

観点ソフトフォークハードフォーク
後方互換性あり(ルールを厳しくする方向)なし(旧ルールと非互換)
旧ノードの扱い更新しなくてもチェーンに残れる更新しないと別チェーンに取り残される
チェーン分裂原則1本のまま合意できないと2本に恒久分裂
新しい通貨生まれない生まれることがある(例:BCH)
代表例SegWit、Taprootビットコインキャッシュ、ビットコインゴールド

ソフトフォーク=ルールを「狭める」変更

ソフトフォークは、新ルールを「これまでより厳しい制約」として導入します。新ルールで作られたブロックは旧ノードから見ても有効に見えるため、更新していないノードもチェーンに残れます。多数派のマイナーが支持すれば、チェーンは1本のまま静かにアップグレードされます。

ハードフォーク=ルールを「広げる/変える」変更

ハードフォークは、旧ノードが「無効」と判断してしまう新ブロックを作る変更です(ブロックサイズ拡大など)。全参加者が新ソフトへ更新すれば1本で移行できますが、一部が旧ルールに固執すると2本のチェーンが並走し、別々の暗号資産に分裂します。

過去の主要なビットコインのフォーク一覧

実際にビットコインで起きた代表的なフォークを、検証済みの事実で整理します。

名称種類時期概要
SegWitソフトフォーク2017年8月24日(ブロック481,824)署名データを分離し実質的な容量を拡張。トランザクション展性を解消
ビットコインキャッシュ(BCH)ハードフォーク2017年8月1日(ブロック478,558)ブロックサイズ上限を引き上げる方針対立から分裂
ビットコインゴールド(BTG)ハードフォーク2017年10月24日(ブロック491,407)マイニングの分散化を狙いアルゴリズムを変更
Taprootソフトフォーク2021年11月14日(ブロック709,632)スマートコントラクト効率とプライバシーを改善
  • SegWitは、BIP141として実装されたソフトフォークで、ブロックの容量制限を「重み(weight)」ベースに置き換えました。詳しくはSegWit(セグウィット)とはで解説しています。
  • ビットコインキャッシュは、拡張性を巡る対立の末に生まれた最も有名なハードフォークです。背景はビットコインキャッシュとはにまとめています。
  • Taprootは、2021年に有効化されたビットコイン近年最大級のアップグレードです。仕組みはTaproot(タップルート)とはを参照してください。

フォークで自分のBTCはどうなるのか

保有者にとって最も気になる点を整理します。

ソフトフォークの場合:通貨は分裂しません。ウォレット内のBTCの数量や価値がフォークで直接増減することはなく、多くの利用者は「気づかないうちにネットワークが改善されていた」という体験になります。

ハードフォークで通貨が分裂する場合:分裂時点でBTCを保有していると、原則として同じ数量の新コインが付与されることがあります(例:1 BTC保有なら1 BCH)。ただし付与を受け取るには、対応する取引所に預けているか、秘密鍵を自分で管理している必要があり、対応は取引所ごとに異なります。必ず利用中の取引所の公式アナウンスを確認してください。

税務上の扱い(日本)

国税庁のFAQによれば、分裂(ハードフォーク)で取得した暗号資産の取得価額は0円として扱われます。取得した時点では取引相場がなく価値がないと考えられるためで、取得時点では課税されません。その代わり、売却・使用した時点で、その売却価格の全額が所得として課税対象になります(取得価額0円のため)。これは免税ではなく「課税タイミングの繰り延べ」である点に注意が必要です。

注意

本記事は仕組みを理解するための教育目的の解説であり、投資助言ではありません。フォークによる新コイン付与や値動きで利益を保証するものではなく、詐欺的な「フォークコイン」やエアドロップを装った手口も存在します。付与の可否・受取方法・税務の詳細は、必ず利用中の取引所の公式情報と国税庁の最新情報、必要に応じて税理士に確認してください。暗号資産は価格変動リスクの高い資産です。

よくある質問

Q. フォークが起きるとビットコインの価値は下がりますか? A. 一概には言えません。ソフトフォーク(機能改善)は分裂を伴わず、市場に中立〜好材料となることもあります。ハードフォークは分裂の不確実性から短期的に値動きが荒くなる傾向がありますが、長期の価値は需給や採用状況など多くの要因で決まります。フォーク=下落と決めつけるのは誤りです。

Q. ソフトフォークとハードフォーク、どちらが「安全」ですか? A. 優劣ではなく用途の違いです。互換性を保てる改善はソフトフォークが好まれ(SegWit・Taproot)、根本的にルールを変える必要がある場合はハードフォークになります。ハードフォークはコミュニティの合意形成がより重要になります。

Q. ビットコインキャッシュはビットコインの「偽物」ですか? A. いいえ。2017年のハードフォークで分岐した独立した暗号資産で、独自のブロックチェーンとコミュニティを持ちます。詳細はビットコインキャッシュとはをご覧ください。

Q. 分裂で新コインをもらったら確定申告は必要ですか? A. 取得時点では課税されませんが、その新コインを売却・使用して利益が出た場合は課税対象です。取得価額0円で計算されるため、売却額がそのまま所得になり得ます。最新の取扱いは国税庁の公式情報で確認してください。

参考・出典

Sources

  1. 国税庁「ハードフォークで取得した新仮想通貨は売却・使用時まで課税対象とならない」(仮想通貨 Watch)
  2. Bitcoin Cash - Wikipedia
  3. List of bitcoin forks - Wikipedia
  4. SegWit | learnmeabitcoin
  5. What is Taproot and how does it benefit Bitcoin? | River

FAQ

フォークが起きるとビットコインの価値は下がりますか?
一概には言えません。ソフトフォーク(機能改善)は分裂を伴わず中立〜好材料のこともあり、ハードフォークは分裂の不確実性で短期的に値動きが荒くなる傾向はありますが、長期の価値は需給や採用など多くの要因で決まります。
ソフトフォークとハードフォークはどちらが安全ですか?
優劣ではなく用途の違いです。互換性を保てる改善はソフトフォーク(SegWit・Taproot)、根本的にルールを変える必要がある場合はハードフォークになります。ハードフォークはコミュニティの合意形成がより重要です。
ビットコインキャッシュはビットコインの偽物ですか?
いいえ。2017年8月のハードフォークで分岐した独立した暗号資産で、独自のブロックチェーンとコミュニティを持ちます。
分裂で新コインをもらったら確定申告は必要ですか?
取得時点では課税されませんが、売却・使用して利益が出た場合は課税対象です。国税庁のFAQでは取得価額0円で計算されるため、売却額がそのまま所得になり得ます。最新の取扱いは国税庁の公式情報で確認してください。
佐藤 健一
  • 暗号資産アナリスト
  • ビットコイン取材歴9年
  • 元金融メディア記者

2016年からビットコインを取材・解説。半減期、マイニング、各国規制、自己管理(セルフカストディ)に明るく、初心者にわかる説明を重視。

本記事は情報提供のみを目的とし、投資・金融・取引の助言ではありません。価格は参考値で古い場合があります。投資判断はご自身の責任で。